甘沼山 成就院について
高野山真言宗に属します。
本山は和歌山県伊都郡高野山総本山 金剛峯寺。
戦国時代、小田原北条氏分国の頃、知行近藤孫三郎は小田原の鬼門に当たる相模野台地が始まる甘沼山に寺社を建立して北条の安泰を祈念されたと伝えられます。
新編相模国風土記稿には中興の祖を眞惠と申し、寛文13年10月11日入寂せらると記載されています。
此所で甘沼についてご紹介申し上げます。北の小山を背に南面平野に田畑が広がる穏やかな村でした。湧水地が幾つか有ってカンゾウが自生していたと伝えられています。此が甘沼の地名の由来でしょうか。成就院では 昔、カンゾウを収穫して精製した物を御本尊お薬師様の妙薬として、求めに応じお分けしたそうです。
お不動様を始め愛染明王様、宗祖弘法大師様、大日如来様は秘仏です。千手観音様(昔、観音堂がありました)と聖天様は別座に祭祀しています。
境内には聖観音様の石仏やお不動様 コンガラ、セイタカ童子のレリーフされた石柱が並び、4月8日花まつり当日その前で不動護摩が執行されます。
文政年間、相模の国 八十八ヶ所霊場が開設され賑わいを博しました。第35番札所の御本尊お大師様の座像はその霊験あらたか成るが故に「ひと言大師」と呼ばれ今も信仰を 集めています。
春から初夏に掛けて成就院の境内は百花繚乱の季節を迎えます。辛夷や山桜の大木は見事ですし、4月半から5月に掛けてナンジャモンジャやハンカチの木が開花して多くの観賞者と共に我々を癒し、豊かな心にしてくれます。
春夏秋冬四季を通じて包まれる湘南の自然を感じながら西は丹沢山大山から霊峰富士山。箱根伊豆の山々から東は江ノ島に至るまで。自然のパノラマを楽しみながらの境内散策は如何でしょうか。